殺戮都市
俺は何をしているんだ。


この街に来た時に一緒になった、最初の仲間。


色んな行き違いがあったとはいえ、そんな仲間に武器を向けている。


明美さんも俺を殺そうとして武器を向けていたけど……。


恨みが恨みを産んで、仲間同士なのに殺し合う。


そうはならないと頑張っていたけど……気付けば俺も、その流れに逆らう事が出来ずにいる。


「止めるなら……声を掛ければ良かったんだ。それだけで良かったのに!何であんたは!!」


俺がそう言っても、明美さんはブツブツ呟いたままで。


「だって……仕方がないじゃない……斎藤さんが撃てって……まさかこんな事に……」


自分がやった事に、どれだけの罪の意識を感じたのか。


斎藤に何を言われていたとしても、奈央さんを殺したのは明美さんなのだから。


「明美さん……俺はもう、あんたを仲間として見れないよ。可愛いなって思っていたけど……信じられない人は仲間じゃない」


どうしてこうなったのだろう。


俺がいない所で、俺がいたらどうにかなったかもしれない事が起こって、それが致命的な傷を残す。


こんな明美さんは見ていられない。


俺は日本刀を振り、明美さんは地面に倒れた。
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