殺戮都市
部屋の中にいた他の人達は、まるで生気がなくて死んでいるようだった。


この男性、新崎和馬さんが言うには、何度も死んで、その恐怖に耐えきれなくなったのだという。


部屋の外に出ると、どこかのビルの廊下のような感じだった。


そこを通って、窓の前で街を見ながら話を聞いていた。


「僕達の生命線はソウルだ。戦闘で他軍の人間を殺せば1追加される。だけど、殺されればソウルを失うんだ。ソウルがある限り、生き返る事が出来るけど、0の時に死ぬと生き返れない。本当の死を迎えるんだよ」


高層ビルの上層。


そこから街を見下ろしながら、俺は新崎さんに頷いた。


ソウルが0で死ぬと……か。


鬼頭竜二が死んだのは、ムキになってガチャを二回やってしまったからだったんだ。


俺だって……もしもあの時、立場が逆だったら二回やっていたかもしれない。


支給された端末を見てみると、確かにそこに5個あったソウルが、4個に減っている。


最初に超激レアを引いて、救われたって事だな。


「そして……見えるだろ?街を囲む壁と、街を区切るように走る光が」


そう……ここから見える夜景が、現実世界と違う点はそれだった。
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