殺戮都市
1階に到着してビルの外に出ると、明美さんともう一人女性が話をしていた。


俺が新崎さんに教えてもらっていたように、明美さんも教えてもらっているのだろう。


「奈央、また新人さんだよ。聞いて驚くなよ。なんと星5所持者だぞ」


二人に近付いて、嬉しそうに話し掛ける新崎さん。


星5、星5って、そんなに珍しい物なのかな。


携帯のゲームなんかだと、新しいガチャが実装された瞬間最高レアを取ってる人なんて沢山いるけど。


「嘘でしょ!?……こんな子供が星5だなんて。星4もいるし、今回の新人は当たりみたいね」


振り返ってそう言った女性……奈央さん。


長い髪をポニーテールにしていて、幼さと大人の雰囲気を同時に醸し出している。


明美さんと言い、奈央さんと言い、大人の女性と触れ合う機会がない俺にとっては、たまらない環境だ。


「あ!!真治君!あなたねえ、人が殺されそうになってるのにどうして助けてくれなかったのよ!おかげで私、食べられちゃったじゃない!!」


俺の顔を見るなり、驚いた表情になり、すぐさま怒りをぶつける。


怯えていて、小さく見えた可愛らしい明美さんが……今は怖い!
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