殺戮都市
西側から北軍に向かう事を決めた俺は、おっさんと北軍の男と別れた。


別れる前に、おっさんとは連絡が取れるようにだけしておいて。


怪物が溢れていて、街に流れていると言うのが良く分かる。


いや……これは戦闘後の処理で怪物が出て来ているだけか?


どちらにしても、ビルとビルの隙間から出てしまえば一斉に肉を求めて俺に襲い掛かって来るだろう。


獣のような姿なのに、匂いで人間を見付けているって感じじゃないな。


完全に目で獲物を補足している。


それは俺にとっては好都合。


見付かりさえしなければ、襲われる心配がないのだから。


「ポーンだけじゃなくて、ナイトもいるな……まだもう少し待った方が良いか」


格好付けて二人と別れたものの……200mほど移動した所で足止めを食らっている。


怪物をなぎ倒しながら移動するイメージは出来ているけど……。

















「無理ならいつだって代わるよ」


















不意に、背後からそんな言葉を掛けられたような気がした。


誰が代わるか。


二度と狩野に俺の身体は渡さない。


渡してしまえば、次こそ完全に乗っ取られそうに思えたから。
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