殺戮都市
「やれやれ、毎日お酒を出してたのが馬鹿らしくなるわね。腕を切って目が覚めるのなら、もっと早くに叩き斬ってやれば良かったわ」


俺達のやりとりを見ていたのか、店のドアにもたれて笑顔で首を横に振る大山田。


「そんな事はねえよ。腐ってた俺の酒に付き合ってくれて感謝してるぜ。ジョリー」


「シェリーだっつってんだろうが!あんた、まさか私の髭を見て言ってるんじゃないでしょうね!?」


シェリー……そう言えばそんな事を言っていたような気がするな。


大山田っていう名前のインパクトが強すぎてそんな可愛らしい名前はすっかり忘れていたけど。


「星5レアが二人に星4+が二人か……突入するには少ないが、今から戦えるやつを説得している暇はないからな。援護は私の部下にさせるとして……」


俺達の顔を見回して、恵梨香さんが訝しげな表情を浮かべる。


少ないよな。


こんな戦力でバベルの塔に乗り込もうって言うんだから、不安になるのは分かる。


「え!?ちょっと待ってよ北条ちゃん!どうして私がメンバーに入ってるわけ!?私にはこの店を守るって使命が……」


慌てふためく大山田の言葉など聞こうともせずに、恵梨香さんはずっと考え込んでいた。
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