殺戮都市
「ぜ、ぜんっぜん聞いてないわね……ちょっと、ボーイ!あなた北条ちゃんの彼氏でしょ!?なんとか言ってやってよ!」


何で俺に振るんだ!?


そもそも、彼氏ってわけでもないし、あれからそんな関係は持っていない。


それに……俺も大山田が言ってくれた方が心強いんだよなあ。


精神的にもそう思えるし、何よりこの中では一番身体も顔もゴツイから。


「まあ良いじゃねえかよ。そろそろシェリーもこんなお店屋さんごっこじゃなくて、元の世界で店を持てって事だろ。お前の店なら、間違いなく人気が出るぜ。俺が保証してやる」


重い腰を上げ、立ち上がって大きく伸びをした中川が、大山田の肩に手を置いて微笑む。


「中川ちゃん……ごめんなさい。私はもっと細身のイケメンが好みなの」


「んな話してねぇよ!何勘違いしてやがんだ!」


勝手に勘違いされて、振られたぞ。


「馬鹿な話をしている場合か!そんなくだらない事を言ってないで、少しは考えろ!」


怒っちゃったよ、恵梨香さん。


大山田劇場炸裂だな。


「何で俺が怒られなきゃならないんだよ。バベルの塔に行くんだろ?四人で固まって、一気に突入で良いじゃねえか」
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