殺戮都市
その後も、何人かに連絡を取ったようで、大山田の溜め息がやけに大きく聞こえる。


「こりゃあ……望み薄だな。見ろよシェリーの寂しげな背中を。少年はいないのか?一緒にバベルの塔に行ってくれそうな仲間は」


そう言われてもな。


この街に来て、殆どの時間を恵梨香さんと過ごしていたし、南軍にいる時間自体が短かったし……。


だけど、俺の脳裏に何か光が見えたような気がして。


その光が徐々に頭の中で形になって行く。


「あ……もしかしたらあの人なら」


「なんだよ、いるんじゃねえか。じゃあそいつも呼べよ」


俺が思い浮かべた人物は……まさしく光り輝いている人。













……バーコードのおっさん。




















そう言えば名前を知らないよな。


考えてみれば、ずっとおっさんおっさん言ってたけど失礼な話だ。


「俺と一緒にこの街に来た人達が、皆星5レアを持ってたんだ。二人とも来てくれたら戦力になるとは思うけど……明美さんは無理だろうな」


「考えてても仕方ねえだろ。連絡取ってみろよ。ダメでもともと、上手くいきゃラッキーラッキーだぜ」
< 698 / 845 >

この作品をシェア

pagetop