殺戮都市
確かに中川の言う通りだ。


大山田だって、ダメだろうと分かっていて知り合いにアタックしてくれてるんだ。


バベルの塔に乗り込むのに、人手が足りませんでしたじゃ話にならない。


「えっと、通信機能は……これか。あった、明美さんと隼人達も。ん?伊集院蓮人(イジュウインレント)?誰だこれ……」


不思議に思いながらも、リストに名前があるって事は、会った事があるはず。


怪しいと思いながらも、伊集院蓮人なる人物が気になって、通話ボタンを押して見た。


ププッ、ププッという電子音が聞こえて、端末から声が聞こえた。















「……真治君かい?どうしたんだ、今どこにいるんだい?」



















この声は……バーコードのおっさんじゃないか!


え!?あのおっさん伊集院蓮人なんて名前なの!?


どんだけ名前負けすりゃ気が済むんだよ……。


てっきり山田太郎みたいな名前だと思ってたのに。


「え、あ、ああ……おっさん。実は頼みたいことがあって連絡したんだけど、聞いてくれるかな」


「何だい?僕が出来る事ならいくらでも手伝うけど」
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