殺戮都市
とりあえず端末の画面を確認すると、いつ撮られたのか、俺の顔写真と所属軍等が記載されていた。


大きな円グラフみたいな物と、その下には「ガチャる!」という、暗転した文字。


『円形都市バベル……街の中央にそびえる塔から見て、東西南北に分かれ、各軍陣地の取り合いをしていただきます。各軍、侵攻は時計回りにしか出来ません。侵攻と防衛、どちらも頑張って、領土を広げてください」


突然始まった説明も、あまりにも「知っている人」目線で、僕達に全く伝わらない。


陣地の取り合いは分かったけど、その目的は何なんだ。


何の為にそんな事をさせるんだよ。


「んな事どうでも良いんだよ!!早く帰しやがれ!こんな所にいられるかよ!」


俺もこのチンピラに賛成。


理沙を待たせてるんだ、早く催眠を解いて欲しい。


「そ、そうよ!今から彼氏の両親に挨拶に行く所だったのに!」


「会議の時間が……」


皆、それぞれの理由があって、こんな事をしている場合じゃないんだよな。


だけど、俺達は淡々と続くアナウンスに、とんでもない事を告げられた。












『隣接する軍の「キング」を破壊すれば、破壊した者は解放されます。また、バベル全域を支配した軍は、全員が解放されるので頑張ってください。それまでは、この街から出る事は出来ません』





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