殺戮都市
「ふっざけんじゃねえ!!今すぐ帰しやがれ!!何の説明もなく拉致っといて何言ってやがる!!」


チンピラの怒りが爆発して、今にも八つ当たりで俺達に殴り掛かって来そうだ。


『戦火に身を投じるあなた方に、運営からプレゼントです。「ソウル」を10個プレゼントします。ソウル5個で、ガチャが一回出来ますので、自身の強化にお役立てください。なお、ソウルは他の軍のプレイヤーを一人殺す毎に、一つ追加されますので、頑張ってくださいそれでは、全員が最低一回ガチャを引いたのを確認しましたら、南軍に皆様をお送りします』


そう言うと、端末の右上にある虹色の球体のマーク。


その横にある数字が0から10に変化したのだ。


「おいコラ!!話聞いてんのかよ!クソがっ!」


のれんに腕押し、という言葉が頭の中に浮かぶ。


チンピラがいくら叫んでも、アナウンスは一方的に話すだけで、こちらの都合などお構いなしだ。


「……ガチャが出来る」


さっきまで暗転していた文字が、やけに派手に鳴った。


あの声の言う通り、全員がガチャをしないといけないのだろう。


この催眠の支配者は声の主で、俺達は従うしかないのかな。
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