殺戮都市
「レベルがMAXになったか。では、お前にその力があるか試してやろう」


無表情のままで、近付く俺に手を上げるクイーン。


この攻撃しかしてこないけれど……これが一番きつい!


攻撃と防御が一体となっている、全方位に向けた攻撃。


思わず日本刀でガードしようとしたけど……圧力が身体を襲い、後方に弾かれる。


塔から落とされそうになる寸前で、日本刀を床に突き立てて何とか耐えた。


「何してんのさ。こんな攻撃……斬り裂いてしまえば良いだろ?」


他人事だと思って簡単に言ってくれる。


でも、狩野のその言葉は抵抗なく俺の中に入って来た。


さっきまでは出来なかった事も、レベル100の日本刀なら出来るような気がして。


「どの道やるしかないよな」


今更退くなんて事は考えていない。


クイーンが腕を下ろし、次の攻撃の準備をしようとしている。


チャンスは今しかない!


グッと床を蹴り、素早くクイーンに接近する。


それでもクイーンの攻撃の方が僅かに速い。


俺の行く手を阻むように、圧力が押し寄せる!

















「斬り裂け!!」















狩野の声と共に、俺は日本刀を振りかぶった。
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