殺戮都市
「うわああああああああっ!!」


気合い一閃、振り下ろした日本刀が、俺の身体を押し始めた空気の塊のような物を縦に斬る。


その瞬間、無表情だったクイーンの顔色が変わった。


驚いたような表情を浮かべたが……それもほんの一瞬。


圧力をどうにか出来たとしても、まだバリアがある。


そう思っているのだろう。


「近付いて一気に振り下ろせ。レベル100の日本刀に斬れない物はない!」


狩野に言われるまでもない。


クイーンと俺の距離は約2メートル。


完全に俺の間合いだ!


再び振り上げた日本刀。


それがクイーンの頭部に襲い掛かる。


直撃する寸前、何かに当たったような手応えがあったけど……パンッと破裂するような感覚が腕に伝わり、クイーンのバリアを破ったのだというのが分かった。


不可侵の領域に侵入した日本刀の刀身。


ねっとりと纏わり付くような感覚があったけど、それすらも斬り裂いて。


三人掛かりでも届かなかった攻撃。


俺の日本刀が……ついにクイーンの頭部を捉えたのだ。


刀身がクイーンの頭部に食い込み、首、胸と斬り裂いて行く。


渾身の力で振り下ろした日本刀は、文字通りクイーンを真っ二つにしたのだ。
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