殺戮都市
手に、微かにヒンヤリとした物を感じる。


これからどうなるんだと、クイーンの方を向いた瞬間、俺の身体がディスプレイに吸い込まれるような感覚に襲われた。


「お前は選んだ。その答えが後悔のないものであると祈っている」


それが、この街で聞いた最後の言葉だった。


俺は元の世界に戻る。


長く、暗いトンネルの中を高速で移動しているようで、なんだか心細いけれど。


それでも実感として「戻っている」という感覚がある。


「どれくらいこれが続くんだ?」


声に出したつもりでも、それは声になっていなくて。


ただ、暗闇を移動しているだけ。


そんな中……俺の視界がパアッと光で溢れた。


元の世界に戻れた……と、思ったけど。










どうやらそれは違うようで、妙な風景が頭の中をよぎったのだ。


それは、パソコンに向き合う一人の痩せ細った男。


鬼気迫る表情で、ブツブツと何かを呟きながらキーボードを叩いている。


「……のゲームさえ完成すれば、あいつらを見返す事が出来る!俺をバカにしたあいつらを!」


ベッドで眠っていた主がその人物だと気付いた時には、その映像は消えていた。
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