殺戮都市
今のは何だったんだ?


主のパソコンを介して、その想いみたいな物が伝わって来たのか?


……だとすると、俺が想像した主と随分違う。


もっとこう……大人しいというか、スマートな性格の人だと思っていたのに。


凄く攻撃的というか、荒い感じがする。


そして再び光の中に。


次に見た光景は……酷いものだった。



ベッドの上で胸を押さえて苦しみ、幻覚でも見てるかのように悶えていたのだ。


「ハァ……ハァ……この街に病気なんて持ち込ませない。ゲームに勝って、強くてニューゲーム!最高じゃないか!!あいつらを一人残らず殺してやる!それが俺の願いだ!!」


怒りと、苦悶の表情に満ちた、とても人間とは思えないような顔で。


だけどそれも、しばらく続いて……そして主は動かなくなった。


俺には死因なんて分からない。


ただ、主の尋常じゃない恨みというか……怨念のようなものを感じた。


そして映像は終わる。


再び長いトンネルの中を移動するのかと思った瞬間。














俺は睡眠から目覚めるようなフワッとした感覚に包まれて、目を開いた。
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