殺戮都市
ここにいる誰もが知らない人。


皆が皆、人の出方を伺っていて、ガチャをする気配がない。


そんな中、声を出したのはやはりチンピラ。


「おいガキ。お前からやれよ。何が起こるか見ててやるからよ」


まるで罰ゲームみたいじゃないか。


こんな得体の知れない物をやりたいなんて思わないのに。


だけど、全員がガチャを……って言ってたし、やるしかないのかな。


「ま、まあまあ。見た所彼は高校生みたいだし、大人の我々が……」


「黙れバーコード!!ガキ。やるのか、俺に殴られるか、好きな方を選べ!」


無茶苦茶だ!


俺に試させて、危険がないか確認しようっていう事なんだろ!


……なんて、言えるはずがない。


どう見たって殴り合いになったら俺は負ける。


それも、足腰立たないくらいに殴られてしまいそうなほど睨み付けている。


バーコードも怒鳴られて、シュンとしてしまったし……。


「わ、分かりましたよ。やれば良いんでしょ」


俺じゃなくても、このお姉さんかバーコードでも良かったのにと思いながら、俺は端末の「ガチャる!」という文字を指で突いてみた。
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