色のない世界
次にモカに会ったのは宗じいの葬式だった。

あの時のような雰囲気はなく、可愛かったけど、ただそこに居るだけの人形のようだった…

心がない…

そう言えば一番分かりやすいかもしれない…

「モカちゃん」

声をかけると

「琉ちゃん…」

と元気のない虚ろな目で俺を見つめた。

でも、見つめられたと思っていただけで、実際にはモカの瞳には何も映ってはいなかった。


.
< 112 / 230 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop