色のない世界
「あははは。嘘だって。前のおかえし」

「もう!人がこんな時に」

「ごめん。
でも、少しは元気でただろ?」

「(…確かに)…うん。声張ったから、ちょっとすっきりしたかも」

「まっ。ゆっくりしてけ。別に何も話さなくていいから」

「…ありがとう」

「…」

「…」

それから私達に会話はなかった。

今日の沈黙は、私が嫌いな沈黙ではなかった。

居心地が悪いなんて事もない。

やっぱり、今日はここに来て正解だった…

何にも聞かないでくれて、ありがとう。

琉…。


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