色のない世界
「あの…こっちでよかったの?」

「あっ?あぁ…別に用があってこっちに歩いてきてたわけじゃないから」

「そうなんだ…」

「あぁ」

「確か、優太くん…だよね?この学校だったんだね」


「まぁ…」

「何組?」

「F」

「そっか。私Aだから分からなかったんだ。AとFだったら、階違うもんね」

「…そっちは何処かに行く途中だったんじゃないの?」

「うん。屋上でご飯食べようと思って」

「ふ〜ん。一人で?」

「…うっ、うん。
いつも一緒に食べてる友達が今日休みで…」

「(嘘が下手だな…)俺も屋上に行って、昼寝でもするかなぁ〜」

「屋上で昼寝かぁ…いいね私もしようかな〜」

「…」

それから無言で歩き出した。


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