色のない世界

車は真っ赤なスポーツカーで、いかにもお金持ちが乗ってますって感じの車。

｢あの…何処に…？｣

｢何処がいいかなぁ〜。実はね何にも考えてなかったんだよね。とりあえず、あの場所から移動したかったから｣

そう言って笑っている。

｢あの…｣

｢何？｣

｢名前何ていうんですか？｣

｢あっ、そうだ！まだ自己紹介もしてなかったよね。ごめん、ごめん。
名前は浅井和哉(ｱｻｲｶｽﾞﾔ)。職業はお気づきかもしれませんが、作家してます｣

｢作家さん…すごいですね｣

｢全然だよ。あっ、でもペンネームは違うよ｣

｢そうなんですか？｣

｢うん。ペンネームは俺の恩人の人の名前を使わせてもらってるんだ｣


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