色のない世界

亜美

私が浅井さんとそんな話をしていた時、琉の目の前にも“私”がいた。

｢琉！｣

｢…何？｣

｢もぉ、何でそんなに、そっけないの〜？｣

｢別に？俺いつも、こんなだろ？｣

｢…むぅ｣

｢…｣

―３０分後―

｢それでねぇ…｣

｢なぁ…｣

｢なぁ〜に？｣

｢お前、いつまで友香のマネしてんの？｣

｢何言ってんの？私、友香だよ？自分のマネとかしても意味ないじゃん｣

｢…ふーん。まぁ、自分は友香だって言い張るなら、それでもいいよ。でも、今俺の前にいる友香とは話したくないから帰ってくんない？｣

｢なっ！｣

｢ほら、早く帰れよ。出口はあっち｣


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