サヨナラと秘密を用意して。
「お疲れさま。早かったねぇ」
「こんな所に女の子1人で危ないでしょ。
めちゃくちゃ急いできたよ。しかもすべり台の上とは」
「あはは。あたしは大丈夫だよ~」
「今日はいつにもなくたくさん飲んでるね~」
「そう?いつももっと飲んでるよ?」
陸が隣に座る。
「はい。おつかれさま」
「ありがと。本当に月、綺麗だね~」
「でしょ?これいいお酒の肴になるんだよ」
「わかる気がするわ」
陸は今日のお客さんのおもしろい話をして笑わせてくれる。
ふと、きんもくせいの香りがした。
「きんもくせい...あたしが好きな香りの1つ...」
「いい香りだよね。これからきんもくせいの香りを嗅ぐ度に
あおの事思い出すんだろうな」