サヨナラと秘密を用意して。


家に帰るとまだ春ちゃんは帰っていなかった。

どうせキャバクラにでも行って、偵察でもしているのだろう。
春ちゃんは付き合いでキャバクラに行っても、
指名もしなければ、連絡先の交換もしてこない。
何で?とたずねた事があるが、この街の女は別に興味ない。
と、一言で言い切った。

この5年間浮気の疑いもなく、男にしては珍しい、と思った事がある。

家に帰っても春ちゃんに対してのイライラは納まらず、
さっさとお風呂に入って寝る支度をする。

お酒の入った春ちゃん必ずセックスを求めてくる。
今日は約束の事もあったが陸の事もあって、そんな気分に
なれるはずはない、と思って先に眠ってしまった。

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