サヨナラと秘密を用意して。


4日。

「春ちゃん、ありがとう。春ちゃんのおけげで寂しい
年越しじゃなかったよ。今日から仕事だから戻るね」

「あおちん、寂しくなったらいつでもおいで。
もちろん寂しくなくてもだよ。仕事頑張ってね」

また涙が出てくる。
あたしはこんなに自分の事を想ってくれている人に
寂しい思いをさせているのだ。

「もう、また泣かないの。あおちんは泣き虫になったのかねぇ」

「そんな事ないもん!!」

本当はそうなのかもしれない。

「そうそう、元気なあおちんが一番だよ。いつでも連絡しておいでね」

「ありがとう。ちゃんとご飯食べなきゃダメだよ」

「はーい」

これは絶対守りそうにないな。笑

「春ちゃん、ぎゅーってして?嫌ならいいけど...」

「嫌じゃないよ。おいで?」


久しぶりに春ちゃんにしてもらうぎゅーは、安心、の2文字しかない。

「ありがとう。これでしばらく頑張れる」

「気をつけてね」

「うん」

春ちゃんの所から自分の今の家に戻った。

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