サヨナラと秘密を用意して。
近くに車を止めて、少し歩いた所が桜がたくさん生えていて、
平日のお昼なのに、結構たくさんのお花見客がいた。
「ここ、桜がいっぱいだね~」
「でしょ?ここなら、いいだろうなぁって思った」
「久しぶりに昼間に外に出たけど、気持ちいいねぇ」
「俺もアルコールが飲みたかった...」
まだ言ってる陸。
「夏になったらみんなでバーベキューしようよ!
その時は陸も飲めるように、ね?
だから、今日は我慢で。はい、かんぱーい」
春の温かな陽射しの下、桜を見ながらのビール。
「あー幸せ。連れてきてくれてありがとう」
「あおが幸せって思ってくれたなら、俺も幸せ」
「ここで寝たくなるね」
「俺もそれは同感」
手術以来、初めての外。
こんなに季節はめぐっていたのか、と思えるほど、綺麗だった。