サヨナラと秘密を用意して。
無事、陸は家に車を置いて、あたしの家まで行く。
「いただきまぁーす」
あたしの感想を待っている陸。
「どう?」
「なんか、普通過ぎてびっくりした」
本当にどこにでもあるような、コンビニにでも
ありそうな、普通のケーキだった。
「ほんとだ。めちゃくちゃがっかり」
「これなら、まきちゃんが作るケーキの方が美味しいね」
「確かに」
まきちゃんのケーキとは家の近くにある、カフェバーのケーキの事だ。
「お店の外見はかなり良かったのにぃ」
「今回は失敗したねー」
味にうるさい2人。
だいたい同じ味覚をもっているあたし達。
自然と感想も似てくる。