サヨナラと秘密を用意して。
部屋に戻ると、陸が慌てていた。
「陸、携帯見たんでしょう?」
「...うん。春って誰?」
「友達だよ」
「そっか...」
その日の陸は激しく何回も求めてきた。
もうわかっていた。
疑われているのだと。
でも、体の付き合いは今は一切ない。
陸にも奥さんがいるのだから、これ位の秘密があっても
あたしはいいと思っていた。
でもこれが後々、めんどうな事になるとは
この時点のあたしには考えもつかなかった。