サヨナラと秘密を用意して。


次の日、家に帰ると陸が待っていた。


「昨日、どこにいたの?」


「…友達のところ」


「そう」

陸はそれ以上聞かなかった。


「あお、話があるんだ」

「何?」


「もうすぐ嫁の子供が生まれる」


「…そう…よかったね」


「なんでよかったなんて笑って言えるの?」


「そりゃ辛いし悲しいけど、ひとつの命が生まれてくることは喜ぶ事じゃない」


「…」


「あとね、わたし子供ができちゃったの。
でもおろすから心配しないで」

私はちゃんと笑えているだろうか…




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