貴方の声が聴きたくて~Your Song~
翔太side
「なぁ、翔太ー」
「ん?何?」
蒼生が準備をしている間僕たちは外で待ってる事にした。
今の時期は春とも夏とも言えない中途半端な時期だけど、風が少し冷たかった
「蒼生ちゃん、なーんか隠してるよな」
「っ、うん。」
兄さんが気付かないハズがない。
兄さんは小さい頃ずっと人の顔色を窺いながら生きてきたから。
たがら、人の表情を読み取るのが上手なんだ。
「あの笑い、何回も見てきたよ。
何回も、何っ回も」
「・・・・」
ぐしゃりとタバコの箱を握りつぶす音が聞こえた
だけど、それに対して僕は何も言わない
兄さんの気持ちがわかるから。
痛いほど、苦しくなるほど分かる、から