フシギな片想い
国語担当の●●先生とデートしていたのを、誰かが見ただのとか。
実はゲイで女の人には興味ないのだととか・・・その他もろもろ。
信憑性があるなしにしろ、それだけ玲央先生は人気があったのだ。
そして、そんな玲央先生に私は初めての恋をしたのだ。
その塾の講師はスーツ着用が命じられていたので、大学生とはいえ、スーツを着こなす玲央先生はとても大人の男性に見えた。
落ち着いた雰囲気に低いけど響く声、そして生徒たちに向ける優しい笑顔。
ちょっと抜けている所も含めて先生の全てが好きだった。
だから算数の授業は先生の印象に残って貰いたくて、人1倍頑張った。
頑張ったけれど、そんな単純な考えを持った女子生徒が私の他にもたくさんいたらしく、算数の成績は上がったものの、抜きん出てはいなかった。
きっと、先生は私のことなんてただの生徒としか思ってくれてない。
こんなに生徒がいるんだもん、もしかしたら私の名前すら憶えてくれてないかも。
夏休みの残りが少なくなっていく度に焦りが芽生えた。
もうすぐで、夏休みが終わっちゃう・・・でも、どうしたら?
私はここに勉強をしに来てるのに、先生が好きですなんて告ったら、何を考えてるんだこの子は?・・・なんて引かれちゃうだろう。