フシギな片想い
沈黙が訪れ、屋根裏部屋に広がる星空を無言で眺めていた。
どれ位、時間が経ったんだろう。玲央さんとゆっくり話すのって久しぶりで嬉しい。
話題はほとんど真央のことだったけれど。静かな空間に雨音だけが聞こえる。
人口の星空を眺めながら、玲央さんが歌を口ずさんだ。
玲央さんの声は歌っても魅力的で、微かに聞こえるBGMは私の心にすっと入り込んできた。心地いい声についうとうととしてしまった。玲央さんの肩に頭が乗った所で、はっと目が覚めた。
「あれ?美雨ちゃん、寝ちゃった?」
驚いた玲央さんが私の顔を覗き込む。このシチュエーションはまずいと頭では解っていたのに、私は狸寝入りを続けてしまった。
以前は玲央さんが私の肩にもたれかかってきたけれど、今度は逆だ。神様、今日くらい玲央さんを独り占めさせて下さい。
玲央さんの体温を耳元で感じながら、私はそう願った。
「玲央?」
願いは叶わなかった。
ママが屋根裏部屋に上がって来たみたいだ。
「あ、晴美さん。どうしてここへ?」
「トイレに行ったら、上から話声が聞こえたから・・・美雨と一緒だったのね」
疲れた声と一緒に溜息が聞こえた。