フシギな片想い


最後の日に撮った玲央先生との2ショット写真は、あれから現像して、ダイアリーに挟んで、机の引き出しの中に大事にしまってある。


街中で、その写真と同じ笑顔を探してしまう私がいた。


ずっと探してた。


どこかで運命的な再会を望んでいた。


それなのに______、神様は意地悪だ。


よりによって、最悪の________再会________




「玲央さんと再婚しようと思ってるの」




ママがはっきりとそう言った。




「こちら牛フィレ肉のフォアグラステーキ添えでございます」


スタッフがメインディッシュをテーブルの上に置いて、ふと我に返った。


再婚?ママが?よりによって玲央先生と?


疑問が次から次へと増えていき、私はママの衝撃発言からまだ一言も口を聞けないでいた。


呆然とした表情のまま、機械的に料理を口に運ぶ私を、玲央先生が気にしてちらちら視線を送っているのが解る。


せっかくのコースなのに、味なんてしなかった。


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