フシギな片想い


きっと、パーフェクトマンの玲央さんが大好きなのと同時に彼と自分を比較して、劣等感も育まれてきたのだろう。


考え方も不器用なんだから。


「玲央さんと真央の話をするとね、玲央さんが真央のことをすごく大切に思ってるのが解るよ。だから、真央が自分のことお荷物だと思ってるなんて言ったら、玲央さん寂しいと思う。玲央さんは真央を含めて、将来を考えてると思うけどな」


偉そうに意見をしてしまった。


芽衣子の受け売りでもある。


「それに、真央がそんな風に思ってるなら、私の立場はどうなるの?私だって、ママにとったら玲央さんとの甘い生活を阻む邪魔者だし、勝手に怒って、真央の部屋に押しかけて、家の雰囲気悪くしてる元凶だし」


真央と比べるとお荷物は私の方だよ。


真央はいつだって冷静に周りを見てる。


「自覚してんだ?」


「ちょっと、私は真央を励ましてるのに、その言い方酷い!」


言い返すと、暗闇の中で、ふっと真央が一瞬、笑った気がした。


「怒りたい時に怒って、笑いたい時笑って、泣きたい時に泣いて、たまにそんな美雨が羨ましい時がある。・・・俺はそういった感情をどう表わせばいいのか解らない。だから無表情って言われるし」


「自覚してるんだ?」


と言い返しても、真央の返事はなかった。・・・無視かい?



< 122 / 172 >

この作品をシェア

pagetop