フシギな片想い
豪雨、真央は語る。
ママとの喧嘩は1日で終局を迎えた。
仕事の山場を乗り切ったママは上機嫌で、イライラしてて一触即発だった最近とは別人のようだった。
「ぶったりしてゴメンね」と仲直り(?)の印にケーキをお土産に買ってきた。
これで、チャラにするつもりなの?私がこんな子供じみた作戦で機嫌を直すとでも?
結局、今回も私が折れた。
断じて、ケーキに釣られたワケではない。おいしかったけれど。
たぶんママは私の性格を知ってて、最後は諦めることを知っているのだ。
「もう家出は終わったのか?」と真央は呆れていた。
夕食の席で普通に話しているママと私を見てフシギに思ったらしい。
「喧嘩はおしまい。玲央にも、怒られたしね。暴力を振るう晴美さんは嫌いだなって」
「施設に居る時に、親から虐待を受けてた子もいたから、むやみに手を上げるのは許せなくて。美雨ちゃん、ご飯これ位でいいかな?」
玲央さんはご飯をよそいながら答えた。
「もうちょっと、減らして下さい」とお願いする。
今日の食卓には中華が並ぶ。
エビチリ、春巻、チンジャオロース。彩りもキレイだ。