フシギな片想い
私にも非はあったのに、フォローしてくれた玲央さんに感謝する。
ママへのやるせない気持ちはあやふやなまま、今回のことはお互い水に流すと決めた。
「それより、今回は特別、真央の部屋に泊まるのを許したけど、当然、何事もなかったよね?保護者としては、家族になるといえども、高校生の男女が同じ部屋に2人きりっていう状況はあまり芳しくないからね」
急に玲央さんが父親の顔になる。
真央はもぐもぐと口を動かしたまま、冷めた視線で私を一瞥する。
「・・・アイス買って来いってパシるし、何か寝言ぶつぶつ言ってて、うるせーし、迷惑だった」
私も負けじと、真央と睨み合う。
あの夜中の会話は何だったの?初めて私に本音を語ってくれたんじゃないの?
お兄ちゃんの前でクールぶっちゃって、ムカつく!
「玲央さん、安心して下さい。有り得ないから。・・・寝言は、真央の威圧感にうなされてたんだし」
「そう?それならいいけど・・・」
玲央さんは真央と私を交互に見ながら、自分のご飯茶碗を持って席に着いた。
「何か、あなたたち、いつの間にやら、仲良しになってるわね~」
ママが楽しそうにチャチャを入れる。
「どこが!?」
つい、真央と声がハモってしまった。