フシギな片想い
家を飛び出した私は、近くの公園に来ていた。
いつか真央が自転車で迎えに来てくれた公園だ。
大きなタコのすべり台が目印の小さな公園。
今日は雨が降っているので、すべり台の一部に作られているトンネルの中で、雨宿りをしていたのだ。
「行動がワンパターン」
「友達んちに行くって言っといて、弁当2つ買ってるし」
「乾燥機に制服入ったままだし」
嘘を吐くのが下手くそだと真央にダメ出しを食らってしまった。
解っているよ、自分の考えがいつも浅はかなのは、だから勢いまかせに家を飛び出しても、いつもママはお見通しなんだ。
「帰るぞ。こんなとこにいつまでもいたんじゃ、風邪引くぞ」
「・・・嫌だ」
はぁ?と真央を眉間に皺を寄せた。
整った眉毛が怖さを倍増させる。
「ガキかよ・・・面倒くせぇなぁ・・・仕方ねぇな、俺の部屋にまたいれば?」
真央が善意で言ってくれてるのは解る。
私の玲央さんに対する気持ちを知ってるし、その思いを諦められないのも知ってる。
暴走して、潰れそうな私の思いを、いつもギリギリの所で繋ぎ停めてくれるのは真央だ。