フシギな片想い
「・・・起きてるっていつから気付いてたの?」
おそるおそる訊ねると、「美雨が起きた時に俺も起きた」と答えが返って来た。
最初から起きてたんかい!と寝顔を見て不覚にもかわいいと思った自分にがっかりした。
「・・・あの、ありがとうね。気持ちを代弁してくれて・・・」
泣いてぐちゃぐちゃになった瞼を拭いながら、起き上り、お礼を言った。
真央は「ヒドイ顔だな」と暴言を吐いた後に、
「別に、俺は俺の思ったことを言っただけで、美雨の代弁なんかしてない。美雨が伝えたいことは美雨が自分の口で伝えるべきだ」
と急な真面目な顔つきで答えた。
「私が伝えたいこと?」
そうと頷き、真央はじっと私を見つめる。
「さっきの、晴美さんに言ったけど、それと同時に布団の中で聞き耳を立ててるであろう美雨にも言ったんだ。結局、話してみないと相手が本当は何を考えてるなんて解んないんだよ」
すとんと肩の力が抜けた気がした。
真央は背中を押してくれてるのだろうか?
「そうだよね、話てみないと解らない。ママと一度話してみようかな?」
「いい心境の変化だ。ついでに、もう1つ、泣く程お兄のことが好きなら、当たって砕けてみれば?」