フシギな片想い


え?それって告白しろってこと?


「無理無理、だって、成功率0%じゃん、振られるって解ってて、告白なんて出来ないよ」


真央は腕を組んで、椅子に深く腰を下ろした。


目はマジである。


「届かない思いにメソメソ泣いてんだったら、思い切って振られて、次にいけばいいのに・・・」


「乙女心はそう簡単にはいかないの!」


真央は冷めた目で私を一瞥すると、「女って面倒くせぇ」と呟いた。


「でも、まぁ、どっちにしろ、振られても俺が受け止めてやるよ。家族だからな」


「え?」


今、何て言った?訊き返す前に、真央はぴょんと飛び上がって、病室を出て行ってしまった。


「真央~」


名前を呼んだけれど、真央の影すら見つからなかった。


遠くの方で真央とママが話す声がしただけだ。


その声もいつの間に遠ざかって消えてしまった。


何だったんだろう?聞き間違いかな?


少しドキドキしている自分に気付いた。


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