フシギな片想い
そしたら私、高校卒業後は家を出るし・・・家?・・・ちょっと待って、嫌な予感がする。
「美雨に、県外の高校受験してもらったじゃない?」
ここで種明かしと言わんばかりにママが私に語り出す。
「突然続きで、美雨が驚くもの無理ないって思ってる。でも、美雨、ママと約束してくれたよね?」
私はこくりと頷いた。
「少しづつ、みんなが家族になっていけばいいと思ってるの。だから、これから美雨たちが高校を卒業するまでの3年間はお試し期間というか・・・家族の絆を深めるためにみんなで一緒に暮らそう!」
「一緒に暮らすぅ!?」
初めて返した言葉は情けない位に裏返っていた。
みんなで暮らすって誰と誰が?まさか・・・ここにいる4人?嘘!?
目を見開いたまま、あんぐりと開いた口が塞がらない。
そんな私の表情にもお構いなしで、ママにはっこりと微笑む。
「言っておくけど、家、買っちゃったから」
「家、買っちゃったの?」
助けを求めるように玲央先生を見た。
玲央先生はへへと照れたように笑い、そういう事なんだと続けた。