フシギな片想い


風になびく髪を抑えながら、数歩前を歩く玲央をさんの背中を見つめた。


白いシャツが眩しいな。


くるぶし丈の細身のパンツ似合ってる。


玲央さんスタイルいいから。


たまにのスニーカーも新鮮でいいな。


柔らかそうな髪から、また、ほら、右の後頭部の所から、謎の寝癖がぴろんと立ってる。


「美雨ちゃん」


私の名前を呼ぶ声に胸は高鳴る。


玲央さんのことを考えるだけで、好きが溢れてきちゃうんだ。


こんなに近くにいるのに・・・


「泣く程お兄のことが好きなら、当たって砕けてみれば?」


昨日の真央の言葉が頭の中に過る。


告白しても、報われないって解ってる。


解ってるけれど、玲央さんにこの気持ちを伝えられたのなら、私、少し変われるかな?


「美雨ちゃん?大丈夫?気分悪くなった?」


気付いたら、玲央さんが私の肩に手を付き、顔を覗き込んでいた。


< 150 / 172 >

この作品をシェア

pagetop