フシギな片想い


真央の顔を見たら、安心しちゃったみたいだ。


「振られた・・・失恋した・・・悲しくて・・・辛いよ・・・」


堰を切ったようにぼろぼろと涙が溢れて来た。


何か、真央の前だと泣いてばっかりだな。


泣き虫だって思われてるだろう。


玲央さんのことで泣くのは今日で最後にするから、今は思い切り泣いてもいいよね?


項垂れて、嗚咽を堪えた。


不意に真央が私の手首をぐっと掴んだ。


そのまま引っ張られるようにして、真央の部屋に入る。


片足を踏み込んだ時に、体勢を崩し、そのまま真央の胸に収まった。


「ゴメン」


咄嗟に謝り、体を引き離そうとしたら、逆にぎゅっと抱きしめられた。


片手で後頭部の辺りをポンと軽く叩かれる。


いきなりの出来事に私の心臓はばくばくと音をたてた。


こんなに密着しているのに、真央に鼓動が聞かれちゃうと焦る。


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