フシギな片想い
耳元で囁いた。
ママは何度も頷き、ゴメンねと何度も謝った。
「始めから、何も言わずに抱きしめてあげればよかった・・・」
「じゃあ、たまにこうしてママのベッドで寝てもいい?」
ママは頷き、笑った。
玲央さんへの気持ちはママに告げることはなく、そっと思い出として心の隅に仕舞った。
随分遠回りしてしまったけれど、私たちはやっと普通の親子みたいに歩み寄れた気がした。
たくさん悪口を言ってゴメンね。
主婦としての才能は玲央さんの方が遥かに上だけれど、私は少女みたいにキラキラした瞳を持ったカッコイイママが大好きなんだ。
恥ずかしいから、面と向かって言えないけれど。
少し切ないけれど、今なら、私の分も玲央さんからたくさん愛されてねって素直に思えるよ。
いつか、お婆ちゃんたちとも仲直り出来るといいよね。
玲央さんと結婚するってなったら、挨拶しないといけないもんね。
私に抱き付いたまま、ママはいつの間にか眠ってしまったようだ。
規則正しい寝息を聞きながら、ベッドの上で仰向けになった。