フシギな片想い
私の部屋と同じように、ママのベッドの上にも、傾斜した天井と天窓が付いている。
読書灯を消して、暗闇の中で天窓を眺めていた。
小さな窓に散らばる星の中で流星が瞬いたのが見えた。
新しい朝が来た。
玲央さんがアイロンを掛けてくれたYシャツに袖を通して、赤いリボンを襟元に付ける。
姿見に映った自分を確認して、最後ににっと笑ってみる。
いい笑顔だと自画自賛。
カバンを右肩に掛け、忘れ物はないかと頭の中で確認をする。
大丈夫だと判断して、部屋の扉を閉めた。
階段を降り、玄関でローファーを履く。
「美雨ちゃん」
玲央さんに後ろから声を掛けられた。
振り向くと、玲央さんがお弁当の入ったミニトートを2つ掲げてにっこりと笑っていた。
「はい、これ、お弁当。1つは真央のね」
玲央さんから2つのトートバッグを受け取った。
ピンクのトートが私のお弁当で、グリーンのトートが真央のお弁当だ。