フシギな片想い


私の部屋と同じように、ママのベッドの上にも、傾斜した天井と天窓が付いている。


読書灯を消して、暗闇の中で天窓を眺めていた。


小さな窓に散らばる星の中で流星が瞬いたのが見えた。




新しい朝が来た。


玲央さんがアイロンを掛けてくれたYシャツに袖を通して、赤いリボンを襟元に付ける。


姿見に映った自分を確認して、最後ににっと笑ってみる。


いい笑顔だと自画自賛。


カバンを右肩に掛け、忘れ物はないかと頭の中で確認をする。


大丈夫だと判断して、部屋の扉を閉めた。


階段を降り、玄関でローファーを履く。


「美雨ちゃん」


玲央さんに後ろから声を掛けられた。


振り向くと、玲央さんがお弁当の入ったミニトートを2つ掲げてにっこりと笑っていた。


「はい、これ、お弁当。1つは真央のね」


玲央さんから2つのトートバッグを受け取った。


ピンクのトートが私のお弁当で、グリーンのトートが真央のお弁当だ。


< 160 / 172 >

この作品をシェア

pagetop