フシギな片想い
まぁ、そのお陰で、ママとの間に出来た溝も少しずつ埋まって来たんだけど。
この数か月の日々は色んなことが起こって、目まぐるしかった。
たくさん泣いた分だけ、強くなれてるといいんだけれど、確かめる術は、今のところない。
「楽しそうな玲央さんとママを見ると、まだ少しだけ切ない。ゆっくり時間をかけて、忘れていければいいなぁ」
「ゆっくり時間を掛けて・・・ね」
「好きな人がいない真央にしても、仕方ない話かもしれないけど・・・」
あまり興味のなさそうな相槌に、ムッとしながら答える。
「・・・好きな人ならいる」
真央は前を見ながら、何でもない風にさらりと答えた。
え!?嘘、いつの間に?爆弾発言に思わず目が見開く。
「知らなかった。言ってくれれば良かったのに」
「何で美雨にいちいち報告しなちゃならねぇの?」
・・・言われてみれば確かにって納得してどうする。
芽衣子が聞いたら卒倒するに違いない。
いや、芽衣子だったら、またよからぬ妄想に走るかもしれない。
それにしても真央ったら、恋愛とか興味なさそうだったのに。