フシギな片想い
どの時点でツボだったのか全く解らない。
とりあえず、信号が青になったので渡る。
「児玉くん、美雨のこと気になってるんでしょ?」
ひとしきり笑い終えた後で、どきりとするようなことを急に言われた。
「え?何で?」と思わず訊ねてしまい、
「だって、私の話は全然興味なさそうだったのに、美雨の話題になった途端、目の輝きが違ったもん!」
マジかよ・・・ポーカーフェイスとか、無表情とかって結構言われるから安心してたけど、そんな解り安く表情に出ていたのか・・・何となくショックで頬や顎の辺りを擦ってしまう。
「・・・美雨には言わないで欲しいんだけど・・・」
お兄に失恋したばかりだし、この友達にどこまで話をしているのか謎だったが、念を押した。
その子はうんと頷き、
「言わないよ」と約束してくれた。
「・・・俺ってそんなに顔に出るタイプかな?」
店の前で最後に彼女に訊いてみた。
彼女はううんと唸りながら考えて後で「全然、、むしろ何を考えてるのか解らないかな・・・あ、つい思ったこと言っちゃった!ゴメンね」と答えた。