フシギな片想い
褒めてと言わんばかりにママがどや顔をする。
別に、頑張ったのは業者さんでママじゃないしと軽く受け流す。
アイアンの門扉をくぐると急な階段になっていて、その先が玄関へと続いている。
水色がかったグレーの壁に藍色の三角屋根。
柱や窓枠にもポイントとして屋根と同じ藍色が使われている。
わざと煤けたような木の扉に金のドアノブ。
北欧の家を連想させるようなモダンでオシャレなお家。
ママがプロデュースした新居。
玄関への扉から左を振り向くと、壁伝いに猫の額程の花壇が続いている。
花壇にはすでにアイビーが植わっていて、このアイビーがゆくゆくは壁を伝って蔓延っていき、ますます北欧チックなお家を演出する作戦なのだろう。
北欧っていうのはそもそも私のイメージで、本当の北欧の家がどうなってるのかは知らないんだけど。
花壇の前は石畳の通路になっていて、細く奥に伸びている。
ガレージのちょうど真上の部分にはプレハブというには立派過ぎる小屋が建っていた。
リフォームした家と同様、アッシュ系のブルーでまとめられた外壁、形は四角いプレハブのそれなんだけれど・・・物置?にしちゃ広すぎるような・・・核シェルターとか?でも、それあるとしたら地下だよね?
首を傾げて眺めていると、玄関のドアが開いた。