フシギな片想い
そんな新しいリビングの食卓に座り、オレンジジュースを片手にぼぅと眺めていたら、
「美雨ちゃんの部屋に案内しようか?」と声を掛けられた。
はいと頷くと、玲央さんはにっこりと笑い、「美雨ちゃんの部屋は2階だよ」と階段を指さした。
玲央さんの後について新しい部屋へと案内してもらう。
ママは運転で疲れたのか「ちょっと休憩させて」とお茶を飲み終えると、ソファにごろりと横になった。
「一応、美雨ちゃんも真央も高校生になるし、部屋割りには気を使ったつもりなんだ」
2階は私とママのスペースらしく、バスやトイレも別だと玲央さんは説明してくれた。
「洗濯はランドリールームに持ってきてもらえれば、僕が洗濯するけど、僕らの洗濯物と一緒に洗ってほしくなければ、言ってもらえれば別々に・・・」
「いや、大丈夫です。自分でやります」
間髪入れずに、返事をすると、そうかと頷いた。
玲央さんはママが家事は全く出来ないことをすでに知っているみたいだった。
「玲央さんや弟さんの部屋は1階なんですか?」
バスルームやトイレの場所を確認した後で、訊ねた。
玲央さんはうんと頷き、
「僕の部屋は玄関入ってすぐ左の部屋だよ。真央の部屋は・・・」