フシギな片想い
「その様子だと、気に入ったみたいだね」
玲央さんは私の私物である段ボールを邪魔にならない場所に移動させながら、よかったと胸を撫で下ろした。
「ちょっと、ついてきてごらん」
今度は部屋の外に出て、私に手招きした。
部屋を出ると、入る時には気づかなかったのだけれど、梯子のような階段が上からぶら下がっていた。
「この上にも部屋があるの?」
訝しがりながら、先に梯子を上っていく玲央さんの後を追う。
真新しい床が木の香りを放っている。
顔を上げると、屋根裏部屋がそこにあった。
「ここは何の部屋?」
玲央さんに引っ張り上げてもらい、屋根裏部屋に降り立った。
私と玲央さんが寝そべったらあとはスペースがなくなる位、一見したら狭い屋根裏部屋だった。・・・物置?
玲央さんは何もない部屋の中心に座り込んで、上を見上げた。
三角屋根のてっぺん、屋根裏部屋の天井は空向かって細く伸びている。
私の部屋と同じように、ここにも採光窓が設けられている。
「子供の頃からの夢でね。天体観測をしてみたいっていう・・・」