フシギな片想い
桜並木の坂道を上っていくと、その先にこれから私が通う学校がある。
商店街にはコンビニやファミレスを始め、ケーキ屋さんやレンタルビデオショップなどがつらつら並ぶ。
学校帰りに友達と寄るのにいいかもと目ぼしい店をチェックした。
駅前は結構開けているらしく、コーヒーチェーン店を始め、ユ●クロや書店なんかもある。
なかなか便利で住みやすそうな街だ。
坂道を上って、新たなる学び舎を下見してみた。
坂の勾配が結構あって、上に着く頃には少し息が上がっていた。
正門は警備員の人が立っていて門が閉まっていたので、中に入るのは諦めて、ぐるりと敷地の周りを歩いた。
グラウンドでは春休み中の部活に精を出す先輩たちが、列になって走っていた。
何部だろう?新しい学校は女子高なのでグラウンドにいるのは女の人ばかりだ。
スポーツが盛んな高校って案内にあったっけ。
うろ覚えの記憶を引き出す。たぶん、私は帰宅部になるだろうけど。
3分咲きの桜の並木道を見上げながら、入学式の頃にはどれ位咲いているんだろうと少し期待が膨らむ。
春休みの間に私の人生を揺るがすような出来事があったのに、こうして自然が教えてくれる季節の訪れを感じて、わくわくしてしまうのは春だからなのだろうか?
商店街を抜け、来た道とは違う道から住宅地に出てしまった。