フシギな片想い
そうかなぁと玲央さんは苦笑し、童顔だからねとママが笑う。
「私も美雨の制服着ちゃおうかしら?」
「え~、やめてよ!有り得ない!!」
「そんな全力で否定しなくてもいいじゃない。冗談だって」
ママはぶぅと口を尖らせながら、新聞に視線を落とした。
右手に持ったコーヒーを一口啜る。
「いや、意外といいかも・・・」
顎に手を当てて、玲央さんが考え出したので、「はい、この話やめー」と中断させた。
2人のラブラブな会話を隣で聞きたくはない。
「今日は私が真央を起こしてくる」
ママの後ろをすり抜け、リビングを出た。
同居生活を初めて約2週間が過ぎた。
今まで、ママと2人だけだった生活から一変して、男の人が家にいることにも少しずつ慣れていた。
私が児玉兄弟と生活を始めて気付いたことがある。
それは、玲央さんは全てにおいてパーフェクトということだ。
イケメンで料理が上手くて、頭もいい。そして声もいい。
優しいし、笑顔がステキだし、キレイ好きだし・・・いい所を上げるとキリがない。