フシギな片想い


ピンクは私の好きな色だから緑は真央の好きな色かもしれなかった。


男の子の部屋って初めて見るけど、(玲央さんの部屋は家の中を案内してもらった時にちょっと覗いたけれど、白を黒のモノトーンの部屋だった)物が極端に少なくてさっぱりしていた。


扉を開くとそこには小さなのシューズラックがあり、脱靴スペースになっている。


通学用のスニーカーが用意されていた。


ステップを上がると、向かって左側には真央専用の洗面台付きのトイレの個室がある。


目の前には若草色のふかふか絨毯が敷いてあって、白いローテーブルの上にノートパソコンが置かれ、リビング同様、座椅子代わりのクッションが置いてある。


その前に液晶テレビ。


部屋の奥にはベッドが置かれ、白と緑のストライプの掛布団が膨れ上がっていた。真央はまだ寝てるみたいだ。


ベッドの上にはフックが並び、その1つに新しい制服が掛けられてあった。


紺のブレーザーにグレーのズボン。黄色を黒の2色使いのタイを結ぶ。


真央はこの春から男子高に通うのだと玲央さんから聞いていた。


初めて会った時の真央は学ランを着ていたから、ブレザーを着たら、ちょっと大人っぽくなるかもしれない。


「おぉ!」


ベッドの足元にカプセル型のタイムマシンのような椅子を見つけた。


半球型でおもちゃのようなフォルムにフードがついていて、それを降ろすと、秘密の隠れ家になる。思わず声を上げ、その椅子に腰を下ろす。

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